烏骨鶏飼料への乾燥オリーブ葉の添加
○上田真里・梅田雅・猿渡亨丞・山中賢一・和田康彦
(佐賀大学農)
【目的】オリーブの果実や葉にはオレウロペインなどのポリフェノールが含まれており,抗酸化作用や抗菌性などの様々な効果を持つことが示されてきた. 本研究では,乾燥オリーブ葉を烏骨鶏に与え, その効果を調査した.【方法】乾燥オリーブ葉2%添加区とコントロール区に烏骨鶏7羽ずつ配置し,体重と飼料摂取量の測定を行った.30日齢時点で各区4羽を解剖し,回腸,盲腸,脾臓,肝臓,中腎の組織サンプルを採取した.トータルRNAを抽出しRT-qPCRを行い,免疫関連遺伝子の相対遺伝子発現量を推定した.また,菌叢解析用に回腸と盲腸の内容物を採取し,血液生化学分析用に血液の採取を行った.解剖を行わなかったものは採卵用としてそのまま飼育を続けた.【結果】30日齢までの体重と飼料要求率には乾燥オリーブ葉の影響は見られなかった.一方,中腎においてIFN-γ,LG1,LY6Eの発現量がオリーブ区で有意に低かった.血液生化学分析の結果,総タンパク質,ロイシンアミノペプチダーゼおよびASTの数値がオリーブ区で有意に高かった.回腸内容物の16S rRNA菌相解析を実施したところ,オリーブ葉添加区では乳酸桿菌や乳酸球菌が著しく増加していた.また, 産卵開始後に卵質検査を行った結果, 卵重,卵殻厚,卵黄色に有意差が見られた.なお本研究はヤンマー資源循環支援機構研究助成を受けている.
2018年10月 日本暖地畜産学会 講演要旨
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