佐賀大学農学部生物生産学科 畜産学実験実習 講義テキスト 科目ホームページ
TAクローニング
Taqポリメレイスを用いたPCR産物は、その両端にAのオーバーハングを形成します。
Vector側の切断端にTのオーバーハングを作っておけば、PCR産物を容易にクローニングすることができます。
このようなベクターをTAベクターと呼び、TAベクターを用いたPCR産物のサブクローニングをTAクローニングと言います。
ただし、PCR酵素の中にはPCR産物の両端にAのオーバーハングを形成しないものもあり、
その場合にはTAクローニングはできません。
また、Taqポリメレイスを利用している場合でも、条件によってはクローニング効率がかなり悪くなる場合があります。
ライゲーションしたプラスミドをエレクトロポレーションする場合には、電流の流れ過ぎを防ぐために、プラスミドDNAを精製する必要があります。
実験手順
- 先週のPCR産物をQIAquick PCR Purification Kitで精製する
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- 0.5mlのPCRチューブにTAベクター1マイクロリットル、精製したPCR産物9マイクロリットル、
ライゲーションミックス10マイクロリットルを加える。この時にはクーラーラックは使用しない。
- サーマルサイクラーを用いて16度で30分程度インキュベーションする。
- キアゲンのキットを用いて、プラスミドDNAの精製を行う。
最終更新年月日 2007年5月7日
佐賀大学 農学部 動物生産学分野 和田研究室
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