佐賀大学農学部生物生産学科 畜産学実験実習 講義テキスト 科目ホームページ
制限酵素処理によるインサートの切り出し
ある塩基配列のパターンを検出して、そこでDNAを切断する酵素を制限酵素と言います。
それぞれの制限酵素は特異的な切断パターンを持っていて、そこでしかDNAは切断されません。
ただし、実際にはバッファーの塩濃度やDNAのメチル化などの影響を受けやすく、
切断パターン以外の配列で切断されたり(スター活性)、
全く切断されなかったりします。
通常、制限酵素に添付されているバッファーを使用します。
至適塩濃度が同じ複数の制限酵素は同時に使用することが可能ですが、
制限酵素を溶かしているグリセリンの持ち込み量が多いとうまく切断されない時があります。
至適塩濃度が異なる複数の制限酵素を使用する場合には、
1つ目の制限酵素で処理した後、フェノール抽出、エタノール沈澱を行った後で、2つ目の制限酵素で処理します。
前回抽出したプラスミドDNAをテンプレートにして、
EcoRIとHindIIIという制限酵素でプラスミドを2か所切断します。
その結果、プラスミドDNAはインサートDNAと残りの直鎖状プラスミドに分離されます。
- 0.5mlPCRチューブに、
10マイクロリットルのプラスミドDNAとEcoRI 1マイクロリットル、HindIII 1マイクロリットル、
M バッファー 2マイクロリットルを加えて、
トータル20マイクロリットルになるように精製水を6マイクロリットル加える。
- エアーインキュベーターを37度にセットし、1晩インキュベートする。
- 1.2%アガロースゲルを用いて電気泳動して、テンプレートのプラスミドDNAと制限酵素処理液の
両者の泳動パターンを比較する。
最終更新年月日 2004年7月8日
佐賀大学 農学部 動物生産学分野 和田研究室
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