佐賀大学農学部生物生産学科 畜産学実験実習 講義テキスト 科目ホームページ
PCR
2つのプライマーではさまれたDNAを特異的に増幅する技術がPCRです。
PCRはゲノム解析、遺伝子解析で使用されるのはもちろん、細菌やウイルスの種類を判定したり、
食品に含まれる遺伝子組み換え穀物の検査など幅広く利用され
ています。
今回は、サブクローニングクローンのインサート長を判定するために、
インサートの両側にあるM13-M4とT7をプライマーとしてPCRでインサート部分を増幅します。
PCR酵素としてはExTaq Hot start version(TAKARA)を使用します。
PCR用プレミックス(ExTaqHS 0.125マイクロ、バッファー2.5マイクロ、dNTP2マイクロ、精製水15マイクロ)を予め準備しています。
試薬の調整とPCR
- PCRシートで実験の内容を確認します。
- 実験者は必ずディスポーザブルグローブを着用します。
- クリーンベンチ内に、マイクロピペット、ピペットチップラック、廃チップ用ガラス瓶をセットします。
- サンプルの数だけ0.5mlPCRチューブを準備します。蓋にチューブコードを黒の油性マジックで書き込みます。
- PCRプレミックスとプライマーセット、プラスミドサンプルの入ったチューブをフリーザーから出して、
室温で完全に融解します。
融解後、微量卓上遠心機で軽く遠心して、蓋の内側などについた溶液を底に落します。
- 各PCRチューブにPCRプレミックス19.625マイクロを分注します。
これらのチューブとプレミックスの入ったチューブは4度のクーラーラック(緑色)に立てること。
- 新しいPCRチューブに精製水を入れます。
所要量はPCRシートの水の量から15マイクロ引いた量(2.375マイクロリットル)に(チューブの本数+0.1)をかけた量にします。
- フォワードプライマー(M13-M4)とリバースプライマー(T7)も上記のチューブに加えます。
所要量は1x(チューブの本数+0.1)マイクロリットルです。
- このチューブの溶液を4.375マイクロずつ、PCRプレミックスを入れたPCRチューブに分注します。
- PCRプレミックスを入れたPCRチューブに、それぞれのラベルに従ってプラスミドサンプルを1マイクロずつ加えます。
通常は最後のチューブはネガコンですので、サンプルのかわりに精製水を同量加えます。
- 軽くかきまぜてから微量卓上遠心機で軽く遠心してから、サーマールサイクラーにセットします。
- サーマルサイクラーのプログラムCOLONYを選択し、PCRを開始します。
- プレミックス、プライマー、サンプルは-20度のフリーザー内の所定のラックに戻します。
- 廃チップは水道水でよく洗ってから廃チップ入れに捨てます。
- 廃チップ用ガラス瓶は水道水でよく洗ってから乾熱待ちのバケツに入れます。
-
- PCRが終了してから、1.2%アガロースゲルで電気泳働します。
最終更新年月日 2004年7月8日
佐賀大学 農学部 動物生産学分野 和田研究室
ywada@cc.saga-u.ac.jp