佐賀大学農学部応用生物科学科 動物資源開発学実験 講義テキスト  科目ホームページ

DNAの電気泳動

2本鎖DNAの長さと質を電気泳動して確かめてみます。電気泳動にはミューピッドという小型のサブマリン型の電気泳動装置を使用します。 エチジウムブロマイドは強い発ガン性があるので必ず手袋をして作業します。
1.2%アガロースゲルの作成
メスシリンダーに5xTBEを10ml注ぎ、純水(DW)を加えて全量を100mlにする。
ゲル作成トレイとコームをDW水でリンスしてから、セットする。
アガロース1.2gを秤量して200mlの三角フラスコに入れ、100mlの0.5xTBEを加えてよく撹拌する。
エチジウムブロマイド溶液1マイクロリットルを三角フラスコに加える。エチジウムブロマイド溶液の入った瓶を倒さないように。使用したチップは流水でていねいに洗ってください。
三角フラスコの口に軽くラップをかけて、三角フラスコを電子レンジで2ー3分加熱して、完全に溶かす。
ゲルが60度くらいに冷えたらゲル作成トレイに静かに流し込む。コームの部分に泡がつかないように注意する。
電気泳動
メスシリンダーに5xTBEを40ml注ぎ、純水(DW)を加えて全量を400mlにする。
タンクをDW水で洗浄する。
ゲルが固まったらコームをはずし、余計なゲルを拭き取って、ミューピッドにセットする。
すぐに0.5xTBEをゲル面が完全に隠れるくらいまで注ぐ。この時に、コームの穴の中のゲルかすをTBEの勢いで掃除するように。
マイクロピペット(20P)とピペットチップ、DNAサンプルとマーカー(ラムダHindIII)、ブルージュース(ゲルローディングバッファー)を用意する。
左端のゲルの穴にマーカー(1Kbpラダー)を5マイクロ入れる。
1.5mlチューブに、ブルージュースをサンプルの数だけ2マイクロずつラップの上に分注する。
DNAサンプルを5マイクロずつブルージュースに加えやさしくピペッティングする。マイクロピペットの目盛を7.5マイクロにして、チューブのサンプルを全量吸い上げて、ゲルの穴に注入する。サンプルごとにピペットチップを換えること。
配線をして、100Vにセットし、スタートボタンを押す。
メスシリンダーを水洗いしてから、DWでリンスして、乾熱滅菌する。
30分程度、泳働してからスイッチを切る。
ゲル作成トレイや泳働漕、コームなどはよく水洗いしてDW水でリンスしてから、乾燥機で乾燥させる。マイクロピペットなどは元の場所にかたづける。
撮影
トレイの上にゲルを載せ、ゲルドキュメンテーション装置のスイッチを入れて、 位置とピント、明るさなどを調節して、写真を撮る。
スイッチを消し、ゲルは元の容器に移し、 トレイはきれいに水洗いをして立てておく。
後かたづけ
エチジウムブロマイドを含むゲルは冷蔵庫で保存し、まとめて処理する。
エチジウムブロマイドに触れたディスポーザブルグローブは危険物ゴミとして捨てる。

最終更新年月日 2013年4月10日

佐賀大学 農学部 応用生物科学科 動物資源開発学分野 和田研究室

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