佐賀大学農学部応用生物科学科 動物資源開発学実験I 講義テキスト 科目ホームページ
器具の洗浄と滅菌
ここではDNAおよびRNA実験のための器具の洗浄と滅菌の方法について述べます。
洗浄が不十分ですと確実に実験が失敗します。
目で見て汚れがないことをいつも確認する癖をつけて下さい。
バクテリアやウイルスも核酸を持っていますので、必ず確実に滅菌してください。
核酸分解酵素が残っていると、核酸はどんどん分解されてしまいます。
確実な洗浄と滅菌が実験を成功に導く基本です。
ガラス器具の洗浄
- 有害な廃液などは決められた手順で処理する。
- 使用後はできるだけ早く水道水で洗浄する。時間がない場合は水道水につけておくだけでも良い。
- 紙のラベルなどは必ずきれいにはがすこと。
- 水洗いだけでは汚れが落ちない時は、ガラス器具の内部に傷をつけないように、スポンジブラシなどで洗う。
- 汚れが落ちたら、DW水を十分使用してガラス器具の内側と外側をていねいにリンスする。
- その後、DDW水を使用して内側と口の部分をリンスする。
- ゴミが入らないように口をアルミホイルでしっかりと覆う。アルミホイルは最低でも口の外側3cmくらまでかかるようにする。
- 瓶の蓋やステンレス製のスパーテルなども同様に洗浄する。ただし、溶液に触れる可能性のある部分は確実にアルミホイルをかけること。
- 細長いものは洗浄後、滅菌缶に入れて滅菌することもできます。
プラスチック製チューブやチップの洗浄
通常、プラスチック製チューブやピペットチップは使い捨てです。
有害な廃液などは決められた手順で処理し、軽く水道水で洗浄してから捨てます。
乾熱滅菌
- 洗浄後にアルミホイルをかけたガラス器具やステンレス器具は乾熱滅菌します。
- プラスティック製の瓶の蓋などは乾熱滅菌すると熔けてしまいますので、注意してください。
- 器具や滅菌缶を棚にセットしたら、蓋をして滅菌を開始します。
- 当研究室では、RNaseを失活させるために180度8時間、乾熱滅菌しています。
- 滅菌終了後、温度が下がってからアルミホイルをもう一度確認して、棚に収納します。
オートクレーブ
- 通常、試薬瓶の蓋やプラスチック製チューブ、ピペットチップは使用前にオートクレーブで滅菌します。
- オートクレーブは高圧をかけるために比較的低い温度でも滅菌効果が得られます。
- プラスチック製チューブはガラス瓶に入れてアルミホイルで軽く蓋をします。
- ピペットチップはピンセットを使ってオートクレーブできるラックに詰めます。
- オートクレーブできないプラスチックもあるので注意すること。
- 液体試薬入りの瓶をオートクレーブする時は、必ず蓋をゆるめておくこと。また、できるだけ他のものとは一緒にオートクレーブしないこと。
- 規準まで水が入っていることを確かめてから、かごの中にオートクレーブするものを入れ、かごをセットします。
- 危険ですので、しっかりと蓋をしてください。通常、120度20分オートクレーブをします。
- オートクレーブ中に蓋を開けると非常に危険です。温度と圧力が下がっていることを確認してから開けてください。
- オートクレーブすると水滴がつきますので、乾燥機かデシケータなどで乾燥してください。
最終更新年月日 2013年4月10日
佐賀大学 農学部 動物生産学分野 和田研究室
ywada@cc.saga-u.ac.jp