すなわち、P(AまたはB) = P(A) + P(B) - P(AB)
排反事象とは同時には起こらない事象の組のこと。 従って、1組の排反事象については、そのうちのどちらかが起こる確率は各々が起こる確率の和である。
すなわち、P(AおよびB) = P(A)・P(B/A)
最初の事象の生起が第2の事象の生起の確率に影響を与えない場合、2つの事象は独立であるという。 その場合、P(B/A)=P(B)であり、2つの独立事象が両方とも起こる確率は、個々の確率の積である。 3つ以上の独立事象についても同様に積となる。
事象Aが起こる確率がpで事象Aが起こらない確率がqである時、 n回の試行においてAが全体としてs回起こり、Aがt回起こらない確率は P =( n! ps qt )/(s!t!) である。
ここで、s+t=n, p+q=1である。
二項式 (p+q)nを展開すると、その各項は上にあげた確率の表現と同じになる。 従って、反復試行の確率分布を二項分布と呼ぶ。
伴性遺伝や常染色体劣性遺伝の場合、疾患遺伝子をヘテロで持っているかどうかは家系分析からだけではわからない場合が多い。 この場合、通常の方法で疾患遺伝子をヘテロで持つ確率を計算することができる。 ただし、全きょうだいの全てが正常個体であるというような情報を用いることによって、 疾患遺伝子をヘテロで持っているかどうかの予測精度をあげることができる。 このような統計手法をベイズ統計学と呼び、この考え方を表した式をベイズの公式と呼ぶ。
ベイズの公式は 事後の勝ち目=事前の勝ち目x尤度比 であらわされる。
具体的には、NnとNNの遺伝子型の確率(事前確率と呼ぶ)がともに1/2であっても、 その子供達が全部正常であれば、Nnの事後の勝ち目は大幅に減少する。 これは、「子供達が全部正常」という情報を考慮すれば、 親が劣性のヘテロ個体である可能性が低いと考えることに相当する。 このような考え方を取れば、親の遺伝子型を正しく予測する確率が高まる。
最終更新年月日 2009年7月21日