佐賀大学農学部応用生物科学科 動物遺伝育種学 講義テキスト 科目ホームページ
細胞と染色体
細胞の種類
原核細胞と真核細胞
真核細胞の構造
- 核
- DNAが格納されていて、mRNAが生産される
- ミトコンドリア
- エネルギーを作り出す
- リボソーム
- タンパク質を作る
- 小胞体
- タンパク質を運ぶ
- リソソーム
- 細胞内で生じた物質を分解する
- ゴルジ体
- 物質を貯蔵したり加工したりする
- 葉緑体
- 光合成を行う
染色体
細胞分裂の時に現れるDNAのかたまり。
生物種によって数は決っている。たとえばヒトの染色体は23対46本。
その中の1対は性染色体で、男性はXY、女性はXXを持つ。
ただし、現存するは虫類と鳥類では雄がZZで雌がZWとなっている。
有糸分裂
通常、細胞分裂する時にはまず染色体が2倍に増えてから分裂する。
これを有糸分裂と言う。体細胞で行われるので体細胞分裂とも呼ばれる。
体細胞は一定の周期で分裂する。このサイクルのことを細胞周期と呼ぶ。
減数分裂
卵や精子は染色体の数が体細胞の半分しかない。
(そうしないと接合体の染色体数が倍になってしまう)
そこで、卵や精子を作るときには、染色体が倍にならずに細胞が
分裂する。これを減数分裂と呼ぶ。
染色体異常
染色体の数や形状に異常があることを染色体異常と呼ぶ。
染色体異常の個体の多くは正常個体とは異なる表現型を持ち、
致死、半致死、不妊などの原因となる。
数の異常としては、正倍数性と異数性に分けられる。
形状の異常としては、欠失、転座などが知られている。
伴性遺伝
性染色体上の遺伝子が関与する形質の場合、性によって表現型が変わる
ことがある。例えば、通常、色盲や血友病は男性しか発病しない。
これはY染色体上の遺伝子に異常があるからで、このような遺伝様式を
伴性遺伝と呼ぶ。
参考図書
J.F.クロー著、「クロー 遺伝学概説」、培風館
最終更新年月日 2009年7月12日
佐賀大学 農学部 動物資源開発学分野 和田研究室