1.教室でガイダンス 10/5 和田康彦 農学部 本科目の講義内容の説明とネット授業の進め方についてのガイダンス。 2.遺伝子と遺伝子工学 10/5-18 和田康彦 農学部 遺伝学の基本を復習し、染色体と遺伝子、DNAの関係、転写、翻訳などの 分子生物学の基礎知識について講義する。また、遺伝子工学の基本的手法につい て概説する。 3.生命をつかさどるタンパク質 10/19-11/1 渡邉啓一 農学部 私たちの体では数万種類、細菌でも数千種類のタンパク質が、遺伝子に 書き込まれた情報に基づいて各細胞の中で作られています。これらのタンパ ク質のもつ多彩な機能の統合によって、生きているという現象がなりたって いるのです。近年の生命科学・技術の発展は著しく、網羅的にタンパク質分 子の構造と機能の関係を明らかにし、人類の健康と福祉に役立てようとする 世界的なプロジェクトも始まっています。すでに、生命科学の知識や技術は 現代生活に深く関わってきています。例えば、日常の話題となっている遺伝 子組み替え食品や牛海綿状脳症(狂牛病)などに対して我々がどのような姿 勢で対処すべきかを考えるためには、それに関わるタンパク質分子の性質や 働きについての科学的な理解が必要になります。本講では、まず、生命を維 持するためにどのようにタンパク質が働いているのかを概説し、次に、最近 話題となっているタンパク質分子を取り上げ、その働きの仕組みを考察しま す。 4.植物ウイルスの分子進化 11/2-11/8 大島一里 農学部 世の中に存在するほとんどの生物に感染できるウイルスがあると考えられており、特 に人間を含めた動物、昆虫、そして植物等にウイルスが感染し、そして病気を引き起 こし、人類の生存にとって大きな問題となっている。最近、生物情報学の研究分野が 発展し、ウイルスの遺伝子本体を分子レベルで探ることにより、これまでウイルスが どのように進化してきたのかが少しずつ明らかになってきた。そこで、特に植物に感 染するウイルスについて基礎的な情報を紹介した後、これらのウイルスを材料とし て、ウイルスの進化を分子レベルから解説する。 5.バクテリオファージ ―細菌を喰らうモノ― 11/9-15 神田康三 農学部 細菌に感染し、最終的にはこれを溶菌させるウイルスであるバクテリオファージ について、その発見から、性状解明のための研究成果とその応用を説明し、さらに は自然界おける役割について述べる。特に、ファージのウイルス学的性状では、今 日の分子遺伝学の確立と発展に大きく貢献したファージの感染様式を解説し、遺伝 子工学の道具としての利用法について解説する。また、実用面においては、物質の 企業的レベルでの発酵生産における汚染防止法や細菌感染症のファージによる治療 (ファージ治療法)を紹介する。一方、自然界におけるファージの役割として、進化 (特に細菌)の促進や海洋生物環境に影響をおよぼす細菌層の消長に対する関与を説 明する。 6.どうして風邪が治るの? 11/16-22 関清彦 農学部 「風邪をひいても、しばらく安静にしていれば治ってしまう。」 「一度ハシカにかかると、通常は二度とハシカにかからない。」 このようなことを皆さん、ご存じだと思います。 「これは、私たちのからだには 免疫 という外的から身を守る手段が備わっている からだ」と聞かれたことのある方も多いでしょう。最近、免疫という言葉を耳する機 会が増えていますが、免疫とはいったいどのようなものでしょうか。今回の講義では、 身近な話題をもとに、細胞たちがどのように働いて私たちの体をまもっているのか 見ていきたいと思います。 7.菌学入門 −身近な生き物:カビの世界− 11/23-29 草場貴章 農学部 カビ(糸状菌)は身近な微生物でありながら、その実体についてはあまり知られてい ない。本授業では、カビの分類、および、我々人間の生活におけるカビとの関わりに ついて、良い面と悪い面に分けて解説を行う。特に、人間とカビの関わりでは、良い 面として、発酵食品などの食品への利用、および、医薬品への利用、悪い面としては、 食中毒・感染症などの人の病気、および、農作物に被害を与える植物の病気について 解説を行う。さらに、動・植物への病原性のメカニズムやさまざまなカビの形態・生 態についても説明を行う。 8.高等植物における光合成の可変性 11/30-12/6 野瀬昭博 農学部 地球の生命は基本的に植物の光合成によって支えられている.高等植物にはC3,C4, CAMの3種類の光合成変異が存在する.本稿においては特にCAMとC3型光合成の可変性 について,生理・生化学面から紹介し,将来における光合成能力の分子レベルでの改 変の可能性と必要性について,地球環境問題との関係から解説する. 9.烏骨鶏の生物学 12/7-13 和田康彦 農学部 鳥類の起源、家畜鶏の起源、極めて特異な形態を持つ烏骨鶏の起源や、烏骨鶏の産卵 数の改良の現状について、わかりやすく講義する。 10.核内受容体遺伝子の分子生物学 12/14-20 和田康彦 農学部 ビタミンAやビタミンD,甲状腺ホルモンなどは体の中でどのように作用しているので しょうか? 実はほとんどの細胞には核内受容体というタンパク質が存在していて、 ビタミンAなどの脂溶性ビタミンや各種ホルモンに対するセンサーの役割をしているの です。この講義では核内受容体の役割と、核内受容体遺伝子の進化について、わかりや すく解説します。 11.ゲノムの中の反復配列 12/21-1/17 和田康彦 農学部 ヒトやマウスなどの全ゲノムの塩基配列が解読された結果、ほ乳動物のゲノムの大部 分が反復配列で占められていることがわかってきました。ここでは、いろいろな種類の 反復配列について、その特徴を解説していきます。 12.ゲノムインフォマティクスあらかると 1/18-24 和田康彦 農学部 私たち人間を形作っている遺伝子の数はどのくらいだと思いますか? ゲノムインフォ マティクス分野の研究の進展によって、たった4万個程度だということがわかってきまし た。日々蓄積されていく膨大な数のゲノム情報、遺伝子情報を活用するための技術につい て、実例中心で概説いたします。 13.質疑応答 2月1日(水) 2校 教養232(予定) 14.定期試験(教室) 2月15日(水) 2校 教養232(予定) 持ち込み不可 和田康彦 農学部
最終更新年月日 2011年9月26日