佐賀大学農学部 応用生物科学科 動物資源開発学分野 和田研究室
佐賀大学農学部応用生物科学科 生物情報処理演習 講義テキスト 科目ホームページ
マルティプルアライメントと分子系統樹の作成
マルティプルアライメント
実験やblast検索などで相同遺伝子のアミノ酸配列や塩基配列が得られたら、それらのマルティプルアライメントを作成します。
マルティプルアライメントを作成することで、相同遺伝子間で強く保存されている配列や保存されていない配列が明らかとなります。
また、マルティプルアライメントは分子系統樹作成のためにも必要です。
ここではClustal Xを利用したマルティプルアライメント作成法を解説します。
Clustal Xを起動したら、File/Load SequencesでFasta形式のシーケンスファイルを読み込みます。
Alighnment/Do Complete Alighnmentを選択すると、マルティプルアライメント作成用のガイドツリーのファイルと作成されたアライメントファイルのフォルダーとファイル名が指定できます。
OKをクリックするとマルティプルアライメントが実行されます。
このように画面上ではアミノ酸ごとに色分けされて見やすくなっています。
作成されたアライメントはalnという拡張子を持つテキストファイルとして出力されます。
分子系統樹の作成
Clsuatl Xを用いて近隣結合法による分子系統樹を作成することができます。
通常は Trees/Bootstrap N-J Treeを選択してください。
近隣結合法では結合していく配列の順序によって系統樹が変わってきます。
そこで乱数によって配列の結合順を変えたもので何度も系統樹を作成し、その中で最も支持された系統樹を出力します。
乱数の種(seed)が同じであればいつも同じ結果になりますが、種が違うと微妙に違う結果になることもあります。
ここではブートストラップ1000回の系統樹を作成しています。
Clustal Xでは分子系統樹を描画する機能はなくphylip形式のテキストファイル(拡張子 phb)として出力されます。
phbファイルを描画するにはNJplotを用います。
File/Open でphbファイルを読み込み、Bootstrap valuesにチェックを入れると、図のように系統樹のノードに数字が表示されます。
この数字はブートストラップの回数(ここでは1000回)のうち、この分岐になった回数を示しています。
この数字が大きいほど、このノードの分岐が確からしいということを表しています。
最終更新年月日 2019年1月7日
佐賀大学農学部 応用生物科学科 動物資源開発学分野 和田研究室
ywada@cc.saga-u.ac.jp