(1) 豚熱について詳しく説明しなさい。 豚熱は現在、アジアや南米などの多くの国で発生しており、日本でも平成30年に26年ぶりに発生してから東海、関東、近畿、沖縄、佐賀など20都県以上に発生が拡大している。病原体は1本鎖RNAウイルスで法定伝染病である。症状は下痢や高熱に始まり、後肢麻痺や遊泳運動などの神経症状を呈して死亡する。防疫対策としては豚熱が発生した農場の豚の殺処分、消毒、近隣農場の豚の移動禁止などとともに、多くの地域でワクチン接種が進められている。また感染している野生イノシシ対策として経口ワクチンの散布も実施されている。 (2) 佐賀牛の特徴とその生産における問題点を詳しく説明しなさい。 佐賀牛では黒毛和種を利用した高品質な牛肉生産が行われており、脂肪交雑評点(BMS等級)12段階中の「7」以上をクリアしたものだけが佐賀牛と呼ばれるようになっている。JA主導で開発された濃厚飼料多給を行っているが、松坂牛などにくらべて肥育期間が若干短めである。そのため、肉色が良い。しかし、佐賀県では放牧適地が少なく、繁殖農家や繁殖雌牛頭数も少ない。そのため県外から購入した肥育素牛が約7割を占めている。 (3) 豚のLWDについて詳しく説明しなさい。 ランドレース(L)の雌に大ヨークシャー(W)の雄をかけてLW豚を清算し、LWの雌にデュロック(D)の雄をかけて得られた3元交雑豚のこと。雑種強勢を利用するとともに、ランドレースの多産性、大ヨークシャーの成長性、デュロックの肉質の良さや強健性をうまく取り入れた交雑手法である。日本のスーパーなどで販売されている国産豚肉の90%以上はLWD豚である。
最終更新年月日 2025年2月3日