佐賀大学農学部 応用生物科学科 動物資源開発学分野 和田研究室
白血球の分離と染色
脊椎動物の免疫機構の中で大きな役割を担っているのが白血球です。
白血球は血液やリンパ液の中や、胸腺や脾臓などの臓器中に存在する細胞で核を持ちます。
この学生実験では、密度勾配遠心を用いてブタの血液から白血球(単核球)を分離し、ギムザ染色によって、白血球を分類します。
用意するもの(8班分)
・白衣 ・遠心機
・ディスポーザブル手袋 ・クリーンベンチ
・200mlビーカー 24個 ・顕微鏡 8台
・ピペッター 5本 ・ブタの血液(抗凝固剤入り) 10mlx4本
・15ml遠心管 20本 ・70%エタノール(滅菌用)
・10mlディスポーザブルピペット 10本 ・PBS(-) 30ml
・パスツールピペット(滅菌済) 10本 ・リンフォプレップ 30ml
・パスツールピペット用のゴム 10個 ・抗菌抗生物質溶液
・スライドグラス 20枚 ・メタノール(固定用)
・カバーガラス 20枚 ・100倍希釈 ギムザ染色液
・廃チップ入れ 10個 ・氷、保冷剤
・廃液回収瓶
・P20マイクロピペット 10本 ・オートクレーブバッグ 1枚
・P200マイクロピペット 10本 ・キムタオル
・20μl用チップラック 8個 ・キムワイプ
・200μl用チップラック 8個 ・遠心管立て 4個
・1.5mlエッペンチューブ 10個 ・エッペンチューブラック 8個
実験手順
ブタ末梢血単核球(PBMC)の分離
- 真空採血管を丁寧にアルコール消毒する
- 血液をビーカーに入れ、PBS(-)で2倍に希釈する。
- 抗菌抗生物質溶液を加える
- 4本の15ml遠心管に9mlのLymphoprepを分注する。
- 遠心管に希釈血液を15mlずつ静かに重層する。
- 2000rpmで20分遠心する(ACCEL&DECELはoff)。
- 遠心した遠心管からパスツールピペットで単核球の層を分取し、新しい1本の1.5mlエッペンチューブに集める。
(下層の赤血球層および上層の血漿はできるだけ取らない)
- ギムザ染色用に1μlを取り、スライドガラス中央に薄く塗沫する
ブタ末梢血単核球のギムザ染色
- 先に塗沫したスライドを自然乾燥させる
- 塗抹面にメタノールを数滴たらし、30秒間固定する。
- キムワイプでメタノールを取り除く。
- スライドガラスの塗抹面に100倍希釈のギムザ染色液をやさしく乗せて、20分間インキュベートする
- 染色液をピペットで取り、廃液回収ビンに回収する
- ゆるやかに水洗する
- 自然乾燥させる
- カバーグラスをかけて顕微鏡で観察する
-
- 血液および細胞の付着した器具類はオートクレーブする。
考察のポイント
- 単核球をうまく分離することができたか?
- ギムザ染色の結果、単核球には、どんな種類が存在したか?
最終更新年月日 2014年5月15日
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