烏骨鶏と他の鶏品種におけるプロラクチン遺伝子のプロモーター領域における24-bp挿入の比較

和田康彦, 戸谷温子, 岳佳?, ローシャン・ジャーハン

佐賀大学農学部, 佐賀市本庄町1番地  840-8502


要 約

 烏骨鶏の就巣性を除去し, 産卵率を向上させるための基礎的知見を得ることを目的として,
国内の烏骨鶏集団や他の鶏品種におけるプロラクチン遺伝子のプロモーター領域に認められる
24-bp の挿入について調査した. その結果, 烏骨鶏では,24-bp の挿入が存在しない遺伝子
(以下Del )のホモ(Del/Del )型が46 羽(87 %),24-bp の挿入が存在する遺伝子
(以下In )とDel のヘテロ(In/Del )型が7羽(13 %)認められた.しかしながら,In の
ホモ(In/In )型は1羽も認められなかった.他方,他の鶏品種では,Del/Del 型が11 羽
(44 %),In/Del 型が8羽(32 %)およびIn/In 型が6羽(24 %)認められた.

 また,烏骨鶏と他の品種における遺伝子型別の期待数と観測数を比較するために, 
2x3 分割表を用いたカイ自乗検定を行ったところ,カイ自乗値は20.1 となり,1% 水準で
有意となった.すなわち, プロラクチン遺伝子のプロモーター領域における24-bp の挿入に
関する遺伝子型頻度は, 烏骨鶏と他の鶏品種間において有意な差異があることが明らかと
なった.


                                                    西日本畜産学会報 51: 39-42, 2008.

佐賀大学農学部応用生物科学科 動物資源開発学分野 和田研究室