烏骨鶏選抜集団第5世代における8番染色体上のDNAマーカーと生産形質との関連性


西山由紀2・MD ミザヌル ラハマン1・阿南加治男3・山中賢一1,2・和田康彦1,2

1 The United Graduate School of Agriculture, Kagoshima University, Kagoshima, 890-5880, Japan

2 Faculty of Agriculture, Saga University, Saga, 840-8502, Japan

3 Livestock Research Institute, Oita Prefectural Agriculture, Forestry and Fisheries Research Center, Bungo-Ohno 879-7111, Japan 

Abstract

烏骨鶏は絹糸状の羽毛, 黒い皮膚などの特徴をもつ鶏品種で, 古くから人間の健康に結びつくとして肉と卵が高値で取引されてきた。しかし, 他の鶏品種と比較して小型で産卵率が低いために生産効率が悪いことが問題となっている。著者らはこれまでに産卵率や発育の改良を目的として大分県で選抜されている烏骨鶏選抜集団の第5世代を供試して, 他の採卵鶏で産卵率に関連するQTLが報告されている2番染色体およびZ染色体上のDNAマーカーと産卵率などの生産形質との関連性について検討してきた。本研究では, さらに関連するQTLが報告されている8番染色体上のDNAマーカーと生産形質との関連性について検討した。8番染色体上のIn/Delマーカー( AAMm77)と3つのPCR-RFLPマーカー(RZ-M75, RZ-M76, RZ-M77)を用いて,烏骨鶏選抜集団第5世代の雌195羽と雄58羽のジェノタイピングを行った。DNA マーカーのハーディーワインベルグ平衡に対するχ2値を求めたところ, 雄雌ともにRZ-M77とAAMm77において平衡条件から有意に異なることが明らかとなった。タイピング結果と150~300日齢での産卵率, 294~300日齢の平均卵重,294~300日齢の平均卵殻強度,および50日齢(雌のみ), 100日齢, 150日齢, 300日齢, 450日齢の体重との関連性について, 統計言語Rを用いて分散分析を行った。雌ではAAMm77と卵重との間に有意な関連性が認められた(p<0.05)。雄ではAAMm77と450日齢の体重との間に有意な関連性が認められた(p<0.05)。これらの結果を踏まえて, 卵重や雄の発育との関連性が認められたAAMm77の周辺に新たなマーカーを開発して検討を進める必要があると考えられた。

日本家禽学会誌 53(J2) p.J45-J49

佐賀大学農学部応用生物科学科 動物資源開発学分野 和田研究室