日本ウズラ長期選抜系統におけるマイクロサテライト多型解析
和田康彦、田中雅生、朴 君、岡本 悟
佐賀大学農学部動物生産学分野
摘要
佐賀大学において約80世代にわたって維持されている体重大小選抜系統およびコントロール系統の
日本ウズラを用いて、日本ウズラにおける体重大小に関わるQTL解析の第一歩としてのマイクロサテラ
イトマーカー検索を試みた。また、PCR法を用いたマイクロサテライトマーカーによる多型解析を実施し、
3系統の遺伝的変異を明らかにするとともに、3系統間の遺伝的距離についての検討を行った。その結果、
日本ウズラ3系統においてGUJ0001, GUJ0008, GUJ0014, GUJ0015, GUJ0017, GUJ0021, GUJ0023の7マー
カーに多型が確認された。マーカー別ヘテロ接合体頻度はGUJ0021で49.1%と一番高く、その他のマーカー
でも30%前後の高い値を示した。系統別のヘテロ接合体頻度の平均値はLL系統では26.4%、RR系統では30.7%、
SS系統では33.8%であり、LL、SS系統ともに高いヘテロ接合体頻度を示した。2系統間のNeiの最小遺伝距離は、
LL-SSが0.150、LL-RRが0.154、SS-RRが0.116であった。
佐賀大学農学部彙報 No.88 p.73-78. 2003
Wada's Lab.