佐賀県黒毛和種牛におけるサイログロブリン遺伝子プロモーター領域の1塩基置換と枝肉形質との関連性

林田瑠美子,礒兼妙子,片渕直人 1),大坪利豪 1),和田康彦

1) 佐賀県畜産試験場、武雄市 849-2305


和文要約

ウシのサイログロブリン遺伝子のプロモーター領域に1塩基置換(C/T)が存在し,そのSNPと脂肪交雑との間に関連性が存在することが報告されており,脂肪交雑の候補遺伝子の1つとして注目されている.そこで,佐賀県で生産された黒毛和種の種雄牛および繁殖雌牛と,佐賀県産種雄牛の糸晴栄の去勢息牛について,この1塩基置換と枝肉形質との関連性を検討した.種雄牛と繁殖雌牛の遺伝子型はCC 7頭,CT 19頭,TT 16頭であった.遺伝子型の効果はロース芯面積について5%水準で有意であり,CT型がCC型に対して有意に大きなロース芯面積を持つことが示された.糸晴栄の去勢息牛の遺伝子型はCC 型44頭,CT型117 頭,TT型71頭であった.分散分析の結果,遺伝子型の効果は全ての形質において有意性が認められなかった.
                                                       日本暖地畜産学会会報 VOL.53, No.1, 25-29. 2010.

佐賀大学農学部応用生物科学科 動物資源開発学分野 和田研究室